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  1. eriction:

  2. 寝泊まりをした体育館で
    たった三日間でかわいいお友達が出来ました。
    血圧測定や点滴に走り回る私のあとを小走りについてくる

    人懐っこい6歳のかわいい女の子、瑠奈チャン。


    マスクが大嫌いな子だったので
    マスクに全然似てないキティちゃんを書いてあげたら気に入ってくれたのがきっかけだったのかな。



    夜の体育館は本当に寒いので頼るのは薄い毛布と人肌。


    私の医療チームは男ばっかりだから人肌に頼ることも出来ず毎日入り口付近ですきま風と戦っていました。

    電気が復旧していなかった広い体育館は例えるなら洞窟みたいでした。
    ストーブも消され冷えきった真っ暗な空間。
    頻繁な余震。




    1人だったらどんなに怖くて心細いか。
    たくさんの避難されているかたが集まっているからこんな暗闇でも朝を待つ気力に変えられるのだろうと心底思いました。


    真っ暗な夜中の体育館の
    寝息の中に
    もちろんすすり泣きの声も聞こえています。



    不安なのかな、
    家族や友達と会えていないのかな、
    考え出すときりがないし
    私は1週間程度だけど
    ここにいるみんなはこれがいつまで続くんだろうと思うと暗闇の体育館は洞窟どころか
    出口の見えないトンネルのようにも思えました。




    寒くて眠れないけど、そろそろ寝ないと不眠不休で倒れてしまいそう
    ここで倒れて足手まといになったら来た意味がないと寝返りをうっていたら
    瑠奈チャンが「お姉ちゃん!」とどこからか毛布を持ってやってきてぴったり横にくっついてきました。


    「瑠奈チャンも眠れないの?」と聞いたら元気よく頷いていたので
    抱き寄せるとめちゃめちゃあったかい瑠奈チャン。



    「お姉ちゃん、好きな人いる?」と瑠奈チャンに聞かれたので
    「いるよ!」と言ったら

    「どんな人?」って(´`)


    「おヒゲがはえてる人だよ(笑)」と分かりやすいように教えてあげたら

    「サンタさん??」と。


    かわいいなぁと思いながら「そうだね、サンタさんみたいな人だね」と頭をなでなでしながら話すと


    「また冬になったらサンタさん来てくれるかな?」とニコニコした笑顔。


    やっと笑顔が見れて嬉しくなって「瑠奈チャンいい子だからまたサンタさん来てくれるよ!」と言ってしまった私。


    でも「瑠奈チャンね、おうちなくなっちゃったけどサンタさん、瑠奈チャンちがないからプレゼント持って帰ってしまわないように
    お姉ちゃんから言っておいて」と言われて、
    ごめんねって思いながらぎゅっと抱き締めてしまいました・・・



    「瑠奈チャン、なにが欲しい?」の私の質問に

    「おうちとママ」



    いつも一緒にいるのが母親かと思っていたけど
    次の日、それは叔母さんということが分かりました。



    瑠奈チャンのお母さんも被災され、あんなにかわいい瑠奈チャンを残して瓦礫の下から変わり果てた姿で見つかったそうです。
    瑠奈チャンは幼稚園にいて救出されたけど
    お母さんは瑠奈チャンが大事にしていたお人形や絵本の入ったリュックを抱えて亡くなっていたそうです。




    まだまだ小さな瑠奈チャンはお母さんが恋しくていつも私にくっついて寝ていたのかな。



    別の避難所と救護所に移動のためにいつも寝ていた体育館を去るとき
    瑠奈チャンが私と別れることに対して声をあげて泣いていました。



    お母さんと悲しい別れをしたばかりなのに、傷は癒えてないのに、また
    別の形だけど人と別れる悲しみを味わせてしまった・・・



    また会おうって言っても
    お手紙を書きたくてももう瑠奈チャンには住所がない



    でも、きっとまた復興したら必ず会いに行く約束をして体育館を離れました。


    この震災を忘れずに
    強くて優しい女性になってほしい。
    どうかこれから進む道が明るくて幸せであるように。



    リーダーナースとの泣かない約束はあっけなく破られ手を振る瑠奈チャンを見ながら、車の中でずっと泣いていました。



    なんでこんなことになったんだろうと悔しさをどこにぶつけていいか分からず
    次の支援施設、救急病院へ向かいました。



    みんなに笑顔と元気を届けに来たのに、瑠奈チャンを泣かせてしまって。



    私のここにいる意味は何だろうとも思っていました。
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